俺の隣の席の真面目な女の子、 。
俺との共通点なんて一つも見つからない。







それはいつものかったるい授業での事。
ふと隣を見ると真面目に勉強しているさんが目に映る。
偉いなあと思いながら少し見ていたら、いきなりこっちを向いたから。
びっくりして、目を閉じた。バレバレだったのかもしれない。
一番後ろの端、先生の視界に入りにくい席を取れたのはラッキーだ。
そして 俺はいつのまにか本当に眠ってしまっていた。

休み時間も終わり予鈴がなるころ。

「また寝てんのかよ」
「いや今回のは無実!!それより南、何か用ー?」
「・・お前が呼んでるってが。」
「え?俺が?呼んでないよ?」
「・・・何だよそれ。まあいいけどさ。
  それよりお前次移動じゃないか?誰もいないけど。」
「・・・うっわやばい!!南さんきゅっ」

あれ?もしかして。
俺が遅れないようにさんが南に言ってくれたのかな。
なわけないか。ただ、もしそうだったら優しい人だなと思った。


次の日、さんを直接見ずに見る方法を思いついた。
窓ガラスに映ったさんを見る事にした。これならバレない。
空を見てるフリをしながら窓ガラスに映ったさんを見る。
時々、さんもこっちを見てるような気がした。気のせいか。


次の日もさんはいつもの様に真面目に勉強しているから。
俺も少しくらい勉強やろうかななんて柄にも無く思ったりしちゃってて。
少しやってみたものの、普段やってないせいか全然分からなくてギブアップ。
まあ俺は窓ガラス窓ガラスに映ったさんを見てるだけでいっか。
なんて思ったりして。


次の日もその次の日もさんを見続けた。
もともと俺は空が好きだから,いつもさんのバックに空があるのも悪くない。
それより話し掛けるチャンスってないものかなー。




数日後


今日もやっぱり空をバックにさんを見てる。

「千石!!聞いてるのか?!この問題やってみろ」

いきなり先生が叫ぶからびっくりする。
はぁ、かったるいなあってこんな問題出来るわけない。
ん?待て・・これはチャンスなのかもしれない!!ラッキー

コツン。

と俺はさんに向かって紙を投げた。

ごめん、あの問題分かる? 分かったら教えて?

                           隣の席の千石清澄から☆  
これをきっかけに少しでも話せたらいいななんて考えてたりして。 こんなの全然俺らしくないけど。何で普通に話し掛けれないんだろう。 手紙を見ているさんが妙な顔をしているから。 返事もらえなかったらどうしようって本気で考えたりして。 でもあきらめずにもう一回出してみる事にした。
教えてー泣くよーちゃんとお礼はするからー

                              キヨって呼んで☆  
泣くよーって言葉に慌てたかしらないけど。 答えはすぐに返ってきた。嬉しかった。 今度はさんを想像しながら目を閉じて考え事をしてみる。 何を考えてたかは秘密♪ ここから俺とさんに小さな「縁」が生まれたのだ。 次の日。
昨日の お礼何がいい?

                   謎のキヨ☆  
今日は初めから手紙を投げ込んでみた。 勉強中だし多分返事は来ないと思うけど。 勉強中なのにもし返事が来たりしたら凄く嬉しいから。 まあ多分返事は来ないんだろうと思っていてもやっぱり寂しくて。 そして数分後。
お返事は?早くくれないとひどいー

                             誕生日は11月25日☆  
こんなアホな手紙を書いてしまう。 投げるか投げないか迷ったけど、でもやっぱり返事が欲しかった。 だから投げてみた、そしたら前にも増した妙な顔で手紙を読むから。 俺はやっぱりやめればよかったなんて思ったわけで。 でもしつこくしつこく投げてみた。 コツン コツン コツン コツン コツン コツン コツン ・・・・コツン。 多分君は最後の手紙まで読まないから。 だから書いた。俺の気持ち。 でも俺がしつこく投げたおかげで二人で職員室に行かなくてはいけなくなった。 その帰り、初めて話すことが出来た。もっともっと好きになった。 俺はこの気持ちを今伝えないとどうにかなってしまいそうで。 「昼休み、屋上来てくれない?」と誘ってしまった。軽く見えたのかもしれないけど。 「え 行かない」ってなんて言われたからちょっとショック受けたけど。 でも諦めずに「待ってるから」って言って。 優しいさんはこう言えば来てくれるって知ってるから。 そして昼休みがきてしまったわけで。 俺の気持ち言う決心して、大の字になって空を見上げながら。 気持ちを落ち着かせていたところに、やっぱりさんが来た。 緊張して目もあわせられない。だから空を見てるフリをして。 本当は少しでもたくさん君の顔が見たいのに。 「さんも隣寝れば?」 「・・いや遠慮します」 「いいから寝てみて。」 俺は無理矢理さんを寝かしてみた。 「わ、すごーい」 「凄いでしょー」 「雲無いー」 「雲無いねー」 なんて平常心ぶってるんだけど緊張しすぎてて。 やっぱり隣のさんを見ることなんてできなくて。 「千石って空好き?」 いきなりそう言うから。 「え?何で分かったの?」 「分かるよーだって授業中とかいつも見てるし」 視線がたまにこっちへ向いていた事は正直少し分かってた。 だっていつも窓ガラスに映っていたさんを見てたから。 「・・いつも?」 「・・・・(は!)いやぇ・・い いつもって言うか ・・・た たまにって言うか・・ね!!」 そう答えた君が可愛くて。 俺のこと好きって言ってくれてるみたいで。 少し調子に乗ってしまう。 「いつも俺の事見てたの?」 「・・・・・」 「・・・・俺のこと、好き?」 「・・・・・・。」 答えてくれないのは俺の事が好きだからなのだろうか。 それとも自意識過剰ぶりにあっけをとられているだけなのだろうか。 「・・・千石は私の事どう思ってる?」 その言葉には好きって意味も含まれていると思った。 だって嫌いな人からどう思われているなんて俺だったらどうでもいいから。 「・・・さんは、空のイメージ。」 「・・・・・・へ? 空?」 「うん。そらの、あお」 自分でもよく分からないたとえで。 でも好きって気持ちを俺なりに精一杯表現したつもりで。 さんは何も言わないから何を考えているかも分からなくて。 でも怒ってはいないんだなと思った。だって笑ってるから。 「俺のイメージは?」 「夕日とか?」 「夕日のオレンジ」 夕日のイメージ? 綺麗って意味なんだろうか・・それともこの頭からきてるのかな? 俺が言った答えもさんは同じように考えていたんだろうなと思ったら。 多分俺の気持ちはまだ伝わりきってないと思った。 夕日と青空か。 「俺らって空つながりだね」 「・・そうだね」 「私 千石が好き」 「うん」 とつぜんさんがそんなこと言うから。 うなずいてしまったけど。 多分返事を待っているんだと思う。 「大好き」 「うん」 「俺も好き」 小さな縁から始まった、 正反対の俺たちの恋はこれから始まる。 Fin
-------------------------------- ご感想フォーム 名前 一言 -------------------------------- 多分、キヨは親しくない、こういうタイプの人には 苗字+さんでよぶんだと思う。と思います。 やっぱり「そらのあお」を見てからじゃないと わかりにくいところあるかもしれない。 南がと呼び捨てにしているところが気になった と思いますが多分後日、続編で明らかになります。